週刊 スポーツこえむ

スキーと自転車の事を綴ったブログです

滑走日報 - 神立高原スキー場でコブ入門

2011年3月11日。東日本大震災によって、シーズン強制終了と腹をくくっていた。
しかし、越後湯沢のスキー場の中で、数少ない営業中のスキー場に行く事ができた。
コブの練習をしに行こう。

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■サマリー
・場所: 神立高原スキー場
・天候: 雪
・気温: -4度
・積雪: 270cm

■レポート
・8:30
緊急地震速報がなったので、飛び起きたら外が明るい。
乗る新幹線は、上野6:38のたにがわ401号だった。ぶっ飛びで寝過ごしである。しかたないので、上野9:34発のとき315号で越後湯沢を目指す。久々に寝過ごしをやらかした。
・11:00
滑走開始。
神立高原スキー場は、震災後、数少ない滑走可能なスキー場である。リフトは、スキーセンター前の連絡リフトと池の平高速の2本だけではあったが、ほとんどのバーンが滑る事ができる状態にあった。スキー場の構造がよかった。
この日は、夜にピステンをかけたバーンが朝の降雪によって完全に埋まってしまい、今日もまた新雪祭りになっていた。スノーボーダーの人、おめでとうございます。ただ、スキーヤーにとってはちょっとかったるい感じになってしまった。でも、これは今だけだった、後で考えれば。
・12:00
今日は、2級に合格したら始めようと考えていたコブ滑走の技術獲得に向け、まずは基礎を固めるべくマンツーマンレッスンを申し込んだ。
最初は、通常の斜面…滑り込まれた新雪の上というかいい感じの不整地で、スキッディングターンの練習。自分で言ってはあれだが、本当に2級にうかったのかと思うくらい、スキッディングができてない事が判明。
問題点として「ターンの切り替えが早い」「板を急峻に押してしまう」そして「クロスオーバー時に体が落ちていない」だった。転倒せず滑っている事が奇跡である。
ということで、モーグルバーンに行く前に、ずらしターンの矯正からスタート。ターンをゆっくり細長くやること、板を持続的に押しつつ体を落としスピードコントロールしながらターンする事、そして歩く時のようにクロスオーバー時に上体を前に進めるように、指導された。これで、へたくそなスキッディングは矯正できたかと思う。
後でわかったが、これができないとコブは滑る事ができない。
・13:00
いよいよモーグルバーンへ。
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まずは、プルークスタンスでという事でスタート。おお!何て事だ、自分が想像した以上に滑る事ができるじゃないか。
バーンの途中から、パラレルスタンスに徐々に切り替え。おお!何とか乗り切れるぞ。今まで全く滑る事ができずに遠ざけていたコブが、今まさに自力でコブに沿って降りる事ができるようになった。
はっきりわかったのが、クロスオーバー時に体をしっかり前に落とせる事で、板が動きやすくなって発射(滑りきれずにコブから飛び出す事)しなくなる。また、慣れていない時はコブの穴ではなく横の斜面を舐めるようにする事で、ずらしてスピードコントロールがしやすくなる。そして、膝を使いつつ板を横方向だけでなく、縦方向(コブで落ち込んだ際に進行方向に向けて板のテールを上に向ける)にも動かす事で、より自由度が高く安定した板の操作が可能になる事がわかった。
あと、よく考えたら当然なのだが、コブの斜面鉛直に沿って下半身を持って行く事で、確実な雪面コンタクトを獲得できる。
一通り、自主練習ができる技術を獲得した所で、レッスン終了。2時間だが非常に濃密だった。
・14:00
早速、モーグルバーンで自主練習開始。まだ一気に無停止は難しく、1回滑り降りる度に2〜3回は休憩・転倒または発射して止まってしまう。これらに共通しているのは、クロスオーバーの時に遅れている事と、目線がフォールラインではなく溝に行った時だ。
逆に、リズムを掴むと、するすると滑って降りられる事もよくわかった。
体のポジションがイマイチよくわからなくなってきたら、不整地となった通常の斜面でスキッディングターンの練習をし、戻る。いい感じで効果が出る。
・15:30
モーグルバーンを管理されているパトロールの方…いや、主かもしれない…に、ちょっと声をかけてもらった。どうやら、モーグルバーンで練習している方に、一声かけてアドバイスをされていらっしゃるようだ。
そこで一つアドバイスいただいたのは、板をもっとゆっくり…それも止まるくらいにゆっくりと操作する事、続いて板をそろえる(プロの選手はみんな閉脚ですよね)、そして縦だとしんどいからコブの横っちょの斜面をなぞるように滑ると楽、と教えてもらった。
これで、また滑走の安定性がぐっとあがった。ここまで教わっていいものなのかとちょっと恐縮してしまったくらいだ。
これを実践すると、さらに滑走の安定度が上がり、また疲れづらくなった。
また、閉脚を意識し始めると、切り替え時に板が×状になって転倒する回数が減った。板が広がると、切り替えが狂って×状になりやすいのだ。
最終的にトップから無停止で滑り終える事はできず、1回休憩が限界だったが(下にある長いラインのコブはノンストップ達成)、はじめてコブをまともに滑った日にしては満足いく出来だった。
・16:00
滑走終了。
スクールでは、プライベートレッスンを受けた後に『プライベートレッスンカルテ』をもらえる。講習中に話をしてもらった内容について、細かくレポートを頂けるのである。こうして日報を書いたり、復習時にとても参考になる。正直、紙でもらわないとわからない内容があるのがスキーの練習である。
その後、駅の土産物屋で、南魚沼産コシヒカリと日本酒、そして爆弾おにぎりを調達。
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新幹線の中で、食べていたらもうお腹いっぱいだった。これ、本当にでかい。2個で1合以上はある。炊きっぷりがいい感じで、ふっくらしておいしかった。

■今日のまとめ
・コブを滑るには、先ずは知識が必要。
・スキーの各分野の「初心者」はプライベートレッスンを受けると一気にレベルがあげられる。
・コブはゆっくり滑ると思った程疲れない。

■備考
・コブは、滑り出せるようになると、極めて奥が深いと言うのがよくわかりました。はまる人がいる訳です、納得。
・はじめは、誰かが掘ったコブのラインよりも、整備されたモーグルバーンで滑り始めた方が練習しやすいと思います。誰かが掘ったものは、モーグラーの人が掘ったものだと細長くて基礎板ではしんどく、また並びや深さが不安定なラインも存在するので、最初は大変かも。

■越後湯沢駅周辺のスキー場の情報
震災後はどうなってしまったのか、タクシーの運転手さんや駅の観光協会の方、そしてスキー場のスタッフの方に聞いてみました。
・越後湯沢は大丈夫
越後湯沢は、確かに揺れたそうだが、設備的にはどこも通常営業できる状況である。中越沖地震の時の方が、よっぽどヤバかったとの事。
・ほとんどのスキー場は営業を「自粛」
雪はあるのだが、スキー場の運営会社の判断により自粛されているスキー場が数多く出ています。GALAや石打丸山などの有名どころはもちろん、その他多くのスキー場も閉じてしまいました。神立高原も営業続行か悩まれたに違いないでしょう。
※今回は、観光案内所の方からtwitterで営業続行中のスキー場を教えてもらって、行く事ができました。
・宿について
被災者の方が疎開している宿があるそうで、湯沢町が宿泊費を支援してくれているそうです。そのため、空いている所があるか調べた方がいいかも。
・ということで
行ける人は、ぜひ越後湯沢周辺のスキー場で、滑りましょう!泊りましょう!買いましょう!
本当に人が来なくて、スタッフの皆さんは寂しそうでした。いつもは大変賑わっているのに…